久しぶりの更新になってしまいました。その間,サルやイノシシと戦ってました。
中山間地で畑をやってると,言うまでもなくいろんな動物たちとお付き合いしなければならない。サルやイノシシなど大型の動物はもちろん,タヌキ,ハクビシンからネズミやノウサギに至るまで,多種の動物がごちそうを求めてやってくる。カラスやハトも種を狙ってくるし。
ところでうちの畑は集落の方々がお金を出して電気柵を整備してくださっているのだが(今,静岡県某所の自作電気柵の事故が問題になっているが,うちのはもちろんきちんとしたメーカー品で大電流は流れませんよ),メンテナンスを怠ると全く役に立たない代物と化してしまう。特につる草が伸びてきて電線にかかるともうそこで漏電してしまう。
で,7月にサルとイノシシに連続でやられたのだ...
まずはサルの被害から。
ちょっとわかりにくいのだが,これはミニカボチャ。中央に花が見えるが,その奥にカボチャの実がいくつかあったのが,ごっそり持って行かれた。
こちらはトウモロコシ。若い実を手でもぎ取って持っていきやがった。
次はイノシシ。うちの電気柵は,高さ2mくらいのところに設置してあり,その下は普通のネットなので,電気柵のメンテナンスというよりネットの管理の問題なのだが,隙間を器用に見つけて入ってきたようだ。彼らは鼻で地面を掘ってサツマイモの若いのを根こそぎ持って行った。
ようやくこれからイモになろうという根を見事に全部食べられてしまった。打つ手なし。今年のサツマイモの収穫は断念。まあ,残った根を植えてみようとは思うけど,さすがに8月に植えても間に合わないだろう。
ここで笑えない笑い話を一つ。先週,農作業中にネットの外側に1匹の雄ザルが現れた。ちょっと脅かしてやろうと急いで畑の隣に止めてあった車を急発進させたり,石を投げたりとやっていたのだが,戻ってみると畑の入り口の部分のネットを開けて,雌ザルと子ザルが入っていったのだ。普段は入り口はひもで結んで動物が入れないようにしているのだが、慌てて雄ザルを追っかけたので、そこまで気が回らなかった。これはやられた。奴らの誘導作戦?にまんまと引っかかってしまった。子ザルは私の姿を見ると慌てて逃げて行ったが,雌ザルはナスか何かをくわえて悠々と出て行った。サルどもが意図的に誘導作戦をやったとは思えないが,サル知恵だとバカにしたらやられてしまう。イノシシにしても相当頭は良いらしいので,彼らとの戦いには終わりはないのである...
とりあえず対策として,トマトは雨よけの支柱のまわりを防鳥ネットでぐるぐる巻きにした。ミニカボチャも同じく。今年はトマトに気合を入れて取り組んでいる。なので,これから収穫期を迎えるトマトだけはとにかく守ろうと思っている次第である。
ニンジンのタネをまいた。乾燥しないようにマルチとわらで厳重に守っている。
写真上方に見えるオレンジの箱が,うちの畑の電気柵の本体(高電圧発生装置)。ソーラー充電式だ。
加賀太キュウリ。種からまいたら収穫は遅くなったが,今がピークだ。
うちの畑の夕暮れ。ネットと電気柵の位置関係もわかっていただけるかと。
夏至の日にジャガイモ掘り。
ちょっと早いなとは思うんだけど,ジャガイモの葉に大発生しているテントウムシダマシの幼虫が一部,蛹化し始めている。こいつらが全部成虫になったらトマトもナスもひとたまりもないので,奴らの駆除も兼ねてジャガイモも掘ってしまえ。
手遅れのような気がしないではないが・・イモを掘ったら畑の大掃除をして,こいつらを少しでも減らそう。もちろん,掘ったジャガイモの茎葉はポリ袋で密封して生ごみだ。太陽熱と殺虫剤で完全に殺してから堆肥に混ぜ込むという手もあるが。
では今年植えたジャガイモ全11品種大公開。
まず,「ピルカ」。
巨大イモ化した。隣のキタアカリの3~4倍はある。
キタムサシ。比較的新しい品種で,疫病に抵抗性がある。
サッシー。さしこではない。フランスの品種だが,去年の余りを植えたらほとんどイモにならなかった。
とうや。
ホッカイコガネ。
キタアカリ。最近スーパーでもよく見かける。それでもシェアで男爵には勝てない。
シャドークイーン。皮だけでなく,中身まで紫色の品種。中晩性でまだ掘るのは早かったのだが,テントウムシダマシ対策のためやむなく終了。
インカのひとみ。うまいらしいがまだ食べていない。休眠期間がないに等しいということなので,まずこれから食べよう。
ラベルの文字が消えて読めないが,「サヤアカネ」。これもやや早掘りだった。この品種も疫病抵抗性がある。
シンシア。フランスではメジャーな品種らしい。
タワラムラサキ。ピンボケしてますが,これは皮だけが紫。長崎県の俵さんという方が育成した品種の1つだそうです。ホームセンターでは「病気に強くどんな土地でも多収」という触れ込みでしたが,そこそこ取れたけど多収というほどではなかったです。
それから,トマトの疫病?は進行が止まったようだ。とりあえず大事には至らなかったようでほっと一息。
こいつがいるから農薬はあまり使いたくないんだ。
人って,自分の都合で害のある虫は殺し,役に立たなくても美しいとか,心休まると思えば生かすけどね。
ニジュウヤホシテントウは手でつぶすけど,ホタルは殺せない。
疫病?輪紋病?
どうやらトマトに疫病か輪紋病の初期症状が出たようだ。今のところ1本だけ。ホームセンターで買った苗で品種名はよく分からないが,茶色の実がなるミニトマトで,原種に近い種類らしい。
症状が出てしまったらボルドーでは間に合わないだろう。
パッと見は輪紋病のようだが,急速に広がって間一髪だった3年前と同じ症状だ。というわけでとりあえず,より深刻な被害をもたらす疫病と判断し,疫病等卵菌類(藻菌類)の特効薬の1つである「ランマンフロアブル」を使用した。ダコニールやライメイより毒性は低いようである。これ以上被害が広がらないことを祈る。ダコニールは疫病にも輪紋病にも効くようだが,いろいろ毒性が強いのであまり使いたくない。もうちょっと様子を見ることする。それと,このよく分からない品種,原種に近い固定種という触れ込みだが,ひょっとしたら病原菌に対する耐性が弱いのかもしれない。
ちなみにジャガイモは放置。もう枯れても大丈夫なくらいイモは大きくなっている。テントウムシダマシに食われた痕がちょっと腐りだしているけれど。写真は左からキタアカリ,シンシア,とうや,ピルカ。試食したけど結構いけました。
トマトが開花
若干肥料が多すぎたようで,木が暴れ気味。
こういう場合は第1花房を必ず着果させろということなので,植物ホルモンのトマトトーンを使う。脇芽をしばらく伸ばしておいて様子を見よう。いっそ2本立てでもいけるかも。
タマネギは小さいのしかできないようだが,炒めものでおいしくいただきました。
エンドウも今が旬。
ナスも立派になりました。
しばらくキャップをかぶせておいたらあっという間に立派になった。
いまいちなのは剣崎なんば。もうだめかも。
ジャガイモの花は今が盛り。品種によって花の色はかなり違う。
北陸の梅雨入りももう近い。昨日,天気の良いうちにサンボルドーを散布して,この時期もっとも怖い疫病対策をした。早速今日は雨でしかも気温も低い。これが続くと疫病の発生確率はかなり高くなる。畑を始めた初年度は,ジャガイモは疫病にやられて1週間でほぼ全滅し,トマトにもうつった(トマトは間一髪でセーフだったけど)。あの悔しさがあるので,疫病対策だけは抜かりなくやっておきたい。
といっても,使う薬剤は基本中の基本,有機JASにも対応したボルドー(塩基性塩化銅)だけだ。おなじみのダコニールと,疫病などいわゆる卵菌類の特効薬であるライメイフロアブルも持っているけど,初年度以外は使ったことがない。殺虫剤もそうだが,殺菌剤もできるだけ使わないに越したことはない。
トマトは立派になりました。
実は先週の様子だったりする。
ナスはというと・・・
まだ生育不良気味。
しかし,今週は・・・乞うご期待。